京都府 日本の旅

「文学情緒と抹茶の香り 宇治の郷と平等院鳳凰堂」  京都府宇治市

少しずつ陽射しが夏に向かっているのがわかる今日この頃…
朝晩はひんやりとしてるかと思えば、昼間はしっかり気温も上がり…夏近しですね~。

そんな5月の終わり。東京に住む昔の友人が週末に仕事で来京するらしく、会ってランチでもどう~?とお誘いが。
もう10年くらい会ってないし、美味しい物でも食べながら楽しく近況報告しようかと楽しみにしていたのですが、これまた仕事の都合で急遽変更になり…

予定が空いてしまった6月の最初の週末。
京都へのチケットは購入していたし、お天気もよさそうだし。友達には会えないけれど、久しぶりに京都散策に出かけようかな♪

そうだ、今回は宇治抹茶で有名な宇治市に行ってみよ。前から本場の抹茶ソフト食べたいと思ってたし~(*´▽`*)

というわけで、今回は京都は宇治市への旅です。よろしくお付き合いくださいませ♪

宇治市

今回は神戸市内から阪急電車の京都線に乗り終点河原町駅へ。
その後京阪電車に乗り途中の中書島駅で宇治線に乗り換えます。終点が今日の目的地、京阪宇治駅。

駅のすぐ横には宇治川が気持ちよく流れています。同じ川辺でも嵐山と違って観光客は多くない。京都市内からは少し離れているから、観光バスで見どころをまわる人たちが多いのかな。

お天気は晴れたり曇ったり。気温が少しずつ上がってきているのが感じられます。
京都に来るとき、僕はいつも汗拭き用にハンカチ二枚持ってきてます。真夏ならタオル持参ですね(*'▽')

涼しいうちに、さっそく宇治散策を始めますか~。

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京阪宇治駅を出て西へ宇治橋を渡ると、橋のたもとに平安時代の作家、紫式部さんの像があります。

ここ宇治の町は紫式部さんの文学小説『源氏物語』の舞台です。
源氏物語は紫式部さんが描いた長編物語。主人公”光源氏”の恋愛模様を通して、平安時代の貴族の在り方が分かる貴重な文献なのだそうです。現在この物語は翻訳され、20か国で読まれているとか。僕は未読なんですけど…。

今回行きませんでしたけど、宇治市内には『源氏物語ミュージアム』という博物館もあるみたいです。源氏物語とは?紫式部さんって?源氏物語に興味のある方は、ぜひ一度訪れてみることをお勧めします。
https://travel.ujicci.or.jp/app/public/shop/index/49

紫式部さんの像の横にある大鳥居から、平等院表参道が始まります。参道沿いには本場の宇治抹茶のお店が軒を連ねていますね。
お抹茶、茶そば、抹茶ソフトクリーム、抹茶クレープ…

時間は10時過ぎ。まだ早いか(笑)
とりあえず平等院を堪能してからにしましょうか。

平等院鳳凰堂

平等院は藤原氏ゆかりの仏教寺院で、創建は11世紀の平安時代後期。
特に宗派に属さない独特な仏教建築で、鳳凰が翼を広げたような姿から鳳凰堂と呼ばれる。

現在の平等院の地は、9世紀末頃、光源氏のモデルともいわれる左大臣で嵯峨源氏の源融が営んだ別荘だったものが宇多天皇に渡り、天皇の孫である源重信を経て長徳4年(998年)、摂政藤原道長の別荘「宇治殿」となったものである。道長は万寿4年(1027年)に没し、その子の関白・藤原頼道は永承7年(1052年)、宇治殿を寺院に改めた。これが平等院の始まりである。

wikiより抜粋

実は私、5年ほど前にも一度ここを訪れたことがあります。ただその時は写真を撮る趣味もなく、スマホで写真を撮ってたんですけど。
今回はゆっくりと楽しみつつ写真撮りますよ~。

こちらが中央の鳳凰堂。大仏様が安置されているところなんですが…正面の扉が閉ざされていますね。

実は今修理をされておられるとかで。本当なら鳳凰堂の正面に、どっしりと座られている阿弥陀如来様のお姿が見られるのに~。
ちょっと、いや結構残念です(*_*;

鳳凰堂の修理は、2019年11月の中旬までだそうです。
修理に関する詳細はこちらでどうぞ
https://www.byodoin.or.jp/news/cat1/post-20/

修学旅行生や外国の旅行者がいっぱい。さすが世界遺産。
わいわいと楽しそうな学生さんや旅人を見てると、何か僕もワクワク楽しくなってきます♪

しゃがんでカメラを鳳凰堂に向けていると、すぐ隣に男の子と赤いパラソルを差した女の子が同じようにしゃがんで写真を撮り始めた。
女の子が真剣な顔で写真を撮っている。男の子は横で優しくカメラの操作や構図なんかを教えてあげているみたい。言葉は中国の言葉だ。
写真撮り甲斐あるもんね~、平等院。

そんなこと思いながら横で見ていると、二人が気づいた。親近感わいて僕が微笑みかけると、二人もにっこり笑って

「コニチワ~」

って返してくれた。女の子が撮った写真を僕に見せてくれて、僕も自分の撮ったのを見せて。中国語話せないけど、”GOOD”とか”キレイデス”とか褒め合って。

少しの時間の写真コミュニケーション。楽しかった~(^-^)さすが京都。さすが平等院。

光差す新緑に赤い柱がよく映えます。旅行者たちの楽し気な笑い声の合間の、ふとした静寂の瞬間。

のんびりと写真を撮りつつ散策していると…時間は1時半をまわっています。シマッタ、また昼ごはん食べるのずれてしまった。
写真も撮れたし、外に出て何か食べましょ。

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平等院参道に戻ってきました。
本場のお茶所だけあって、歴史あるお茶屋さんが並んでいます。

お抹茶の他にも茶そばや茶菓子、うどんや丼もの、たこ焼きなんかを出すお店も。
でもお昼を結構過ぎてるのに、どのお店も待ちの人で一杯…

今から並ぶとさらに遅くなるしな。お蕎麦も魅力的やけど、ここはお腹をごまかす感じで…
一番食べたかったあれにしとこかな。

じゃーん!!宇治の名店「中村藤吉」さんの抹茶ソフトクリームです!

このお店は宇治で三店舗を経営する、超有名店です。店内で食べるの一時間待ちとか当たり前とかなんとか…
でもすぐ横にテイクアウトできる窓口がありますよ。そこならすぐに買えます
写真のこれは小サイズで450円くらい。大だと+100円くらいかな。

今回は宇治抹茶とバニラのハーフ。抹茶のほろ苦さとバニラの濃厚な甘さが口の中で溶け合って。本格的な味!めっちゃおいし~い(*'▽')他にもほうじ茶のソフトとか、ハーフじゃないのもありますよ♪
歩いてて徐々に上がってきた体温を冷たいソフトクリームが優しくほだしてくれました。
宇治に来たらこのソフト、必食です!!

中村藤吉さんは京都の他にも大阪、東京銀座、そして香港に支店があるみたいです。詳しくはこちらで♪
https://www.tokichi.jp/

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さて。ソフトクリームしか食べなかったけど、並んで昼を食べるのも時間がもったいないしね。宇治川沿いを散策しながら、次なる目的地へ向かいましょう。

晴天に雲がふわふわと。
平等院を出てすぐ東、宇治川の中州になったところが宇治公園。そこに架かる朝霧橋を渡って対岸に向かいます。
やっぱり暑くなってきたけど、川から吹く風がやさしく顔をなでてくれます。気持ちいいなぁ、テクテク。

空気はもう初夏のそれになっている。
木漏れ日の光も、川から反射する光も、道路を温める光にも夏の気配がする。

ふと振り返って。

今この瞬間を、水のようにボトルに詰め込めたらいいのにな。
夏が来る前のわくわくと、ほんのちょっとの不安を。
つらくて寂しい時にはキャップを開けて、乾いた心を潤せるのに。

天ケ瀬吊橋

平等院から宇治川をずんずん遡って。
宇治川沿いには古くからの旅館が数軒あります。数はそんなに多くないのだけど。左に旅館、右には宇治川を見ながら趣のある道が上流に向かって伸びています。

観光客も川の上流に来る人は少ないみたい。逆の方へ流れていきますね。

旅館の並びが終わると、静かに木漏れ日の差す道が続く。
平等院から歩くこと約20分…

見えてきました。『天ケ瀬吊橋』です。
水道供給や水力発電の目的で宇治川に天ケ瀬ダムが建設。この天ケ瀬吊橋は1942年に架けられました。
一度は流されてしまうも、再び架けなおされます。それが今ある吊橋なんだそう。

”吊り橋”と聞くと四国のかずら橋みたいのを想像するけれど、こちらはがっしりとした木組みの橋ですね。歩き始めても全く揺れません。
(実はかずら橋系を想像してた)…ちょっと残念。

橋の中ほどで立ち止まって。ゆったりとした宇治川の流れ。
落ち着くわ~(*´▽`*)

吊橋を渡り切り眺めを満喫して戻ろうとして、ふと視界にキラキラと光り輝くものを発見!!

おぉ~!!午後の光を受けて輝く、小さな滝でした!!(写真がへたっぴいですが…)

パシャパシャっと跳ね落ちる水しぶき。ひんやりとして、まさにマイナスイオン(笑)思いがけなく発見した滝が、汗ばんでいた身体を落ち着けてくれました~。

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さてさて。天ケ瀬吊橋と素敵な滝に心洗われ、再び宇治川を戻ります。
中心へと戻ると、観光客がみんな右手の坂を上っていきます。標識は『宇治神社』。せっかくだからお参りしていきましょう。

宇治神社と宇治上神社

みんなについて行くと、石灯籠の並ぶ先に宇治神社があります。
参拝客はいますが京都市内の神社ほどではありません。待つことなくすんなり参拝できます。
みんな何をお祈りしているのかな。

宇治神社のすぐ横からはゆるい坂が続いていて、立て看板に『宇治上神社こちら』と書かれています。
うん、そんなに遠くはなさそうですよ。

こちらが神社建築の現存最古、宇治上神社の本殿です。
造られたのは平安時代後期だそうで、どっしりとした風格ある造りです。
この宇治上神社と宇治神社は二つが対となっているようです。

僕もここで手を合わせて。

「どうかこれからも、健康に旅ができますように。」

ふふ。これでよしよし。

神社内には住吉社や春日社、厳島社など末社も多くあります。一つずつに手を合わせてまわります。神様がたくさんいらっしゃるのは何とも縁起がいいな…

なんてホクホクしながら考えていると、あら!時間がそろそろ良い頃合いに。

今日の宇治散策はここまでかな。
神社の参拝が駆け足になってしまったけど、無事お参りできたし見たかった所も観光できました。
帰りの時間も考えて、そろそろ起点の駅へと歩いて行きましょうか。

旅後記

現在国内外を問わず、京都を訪れる観光客の実に一割がここ宇治を訪れているのだそうです。

僕が今回宇治を歩いて感じたのは「肩ひじを張ったところが全然ない」ということ。訪れた観光客はみなさん思い思いのペースでゆったりと巡っていて、観光都市特有のせわしなさがない。

豊かな緑の中ゆったりと川が流れ、軒を連ねる茶屋からはお茶の香りが漂って…。
歩いていると心の隅々まで洗われていくような、そんな感じ。
見どころが比較的徒歩圏内ということも、宇治をのんびりとした町にしている理由なのかもしれません。

京都市内の寺社仏閣は、千年続いてきたこの国の都にふさわしい重厚さだけど。
ここはいにしえの平安貴族の、おおらかで雅な空気を想像させてくれる町。

伝統と格式の京の旅に少し疲れたらー。
穏やかな空気とお茶の香りに包まれて、宇治の町をゆっくり歩いてみませんか?

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