京都府 日本の旅

「妖精たちの棲む森 ~シャガ・ミツマタ群生地」  京都府綾部市老富町

シャガという花を知っていますか?

アヤメ科に属し、4~5月ごろ日陰のちょっと湿ったところにひっそりと咲いているお花です。
白い花びらに紫と黄色の模様があって、可愛く、ちょっと艶っぽくもある。
実はこーの大好きなお花の一つ。

GWも迫った4月の下旬、たまたまグーグル検索で調べものしていて、何とこのシャガの花が群生している場所を発見!!
調べてみると京都府。
と言っても日本海に近い京都の北部、綾部市の山間にあるらしい…

シャガ単体で(アップで)写すことは多かったけれど、群生するところって撮った事なかったかも。どんな感じに撮れるのかな…。

考えていたらワクワク我慢できなくなって、毎度ながらあっという間にシャガ撮影の旅が決定~♪

 

 

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京都府綾部市老富町は、福井県との境も近い集落。
神戸からだと舞鶴若狭自動車道に乗ればかなり短時間で行くことができるんですが。下道好きな僕は今回も上は使わず。こんなルートでツーリングも楽しみます。

175号線 → 372号線(デカンショ街道) → 173号線 → 27号線 → 1号線

 

ここ数日、五月だというのに朝晩は一桁代の気温が続いている。昼間は暖かだけど、バイクだと結構重ね着しないといけない。重ね着すると、これまた脱いだ時荷物が増える。

早朝に出ないとダメな距離でもないしね。服装を軽くする意味もあって、今回は9時過ぎに出発しましょうか。

少しづつ陽が高くなっていって、気温が上がっていく。温かな日差しを感じながらバイクを走らせる。雨や真冬は辛いけれど、こんな空気の中走るのは本当に気持ちがいい。
すれ違うライダーたちもたくさん手を振ってくれる。みんなこんな中走れるのが楽しくて仕方ないみたい。

ちょっとコンビニでコーヒー休憩。まだ行程は半分行ってないな~(*´▽`*)

ミツマタ・シャガ群生地

今回向かっている群生地は、2015年に綾部市の写真家によって偶然見つけ出されたのだそうだ。
過疎化や高齢化の進む老富集落は、この群生地をここの宝として観光スポットにと、「シャガの小径」を整備した。

今日はシャガの花を見に行くのだけれど、シャガが咲き始める前にはミツマタというお花が群生する場所でもあるみたい。シャガの白と違い、ミツマタの黄色い花でこれまた埋め尽くされる絶景がみられるんだそう。

のんびりゆったりツーリングを楽しみつつ、12時30分を回ったころ現地に到着。
駐車場はかなり多く、第三駐車場まで確認できた。来場者の割に、まだまだ余裕がありそう。

牡丹桜が満開です。シャガもたくさん咲いてるといいなぁ。

川沿いを少し行くと、集落の方々の出店があります。ここではぜんざいやスナック、手作りのクッキーなどのお土産が販売されていました。
可愛い鉢植えのオブジェも。

この出店を越えてまっすぐ進んで行くと、いよいよ群生地への入口です。
連休中だけど、訪問者は少ない。
あ~ワクワクしてきたぁ~(^^)では入っていきましょう♪

小さな小川沿いに…咲いています!太陽を浴びて、真っ白に輝いて。
さらさら流れる水と小さなシャガの花が何とも愛らしい。

キラキラ輝く水面と共にパシャリ。

「こんにちは。君たちを写させてもらいに来ました。」

まるで笑ってくれたようなシャガのお花たち。

森に入るとすぐにこんな祠があります。太い木の幹の間から、森に入っていく人たちを見つめておられるような感じで。

ここからは、どこか違う世界への入口のように。

木の切り株の向こうでたくさんの妖精たちが、こちらを見てクスクスと笑っている。
僕が近づくと、みんなさぁっと風になびいて。まるでダンスを踊っているみたい。

ふんわりと柔らかく、のんびりしているかと思えばあっという間に。

こんな気持ちのいい道が400M以上続いていく。
人も少ない小径をゆっくりと歩いていると、いろんな音や虫たちのかすかな声が聴こえてきます。

小径はやがてこぢんまりと整地された広場で終わる。丸く造られたその場所のぐるりにもシャガが咲いている。
今度は僕たちが、妖精たち観客に見られているみたいだ。

ゆっくりと目を閉じて、大きく息を吸い込む。
踊れない僕が光の差す舞台上でくるくると回り、みんなが笑って拍手してくれている…

しっかりと心にこの森を刻んでから目を開き、僕はまた来た道を戻る。

また、またね。

旅後記

そこは白い衣をまとった小さな妖精たちの園でした。
笑い、飛び跳ねては楽しく舞い踊る。差し込む太陽に照らされた素敵な舞台の上で、風に揺らされながら小さく囁きあっている。

僕が訪れた5月4日は満開にはまだ早く、花開く前のつぼみがたくさんあって。まだ三分咲きくらいだったでしょうか。
来週、再来週にはこの森が、小さな妖精たちで真っ白に包まれるはず。夢のように幻想的な光景に出会えると思います。

発見されてまだ4年。年々訪れる人は増えていっていますが、まだまだ混雑とは無縁の神秘的な場所。

まだ目覚めていない可愛い妖精たちと一緒に、あなたもこの森で踊ってみませんか?

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