兵庫県 日本の旅

夏の砥峰高原と岩座神の棚田と、その合間  兵庫県神崎郡神河町

あっつ…(*_*;

今年はかなり暑い、ですよね?ね?

あんただけやで~、とちゃいますよね?加齢によるものじゃないと言って~\(゜ロ\)(/ロ゜)/

 

 

…失礼しました。こんにちは、夏好きだけど溶け気味のこーです。
7月に入ってから日本列島蒸し風呂みたい。うちの部屋も朝起きたら30℃越えの一日の始まりに、毎日半泣きです。

 

こんな暑い時にはやっぱ海でしょ、海!!!

と思って日本海海水浴ツーリングを週末に予定するも、天気は雨の予報(@_@;)バイクでかいた汗を海で流そうと思ってたけど…

 

っおおしゃ!!それなら高原やで高原!!!ピューピュー風吹き抜けて涼しいはずやでぇ(;''∀'')日本海が雨なら、その手前の高原で涼もうやないかーい♪行けるとこまでバイクでピューやで、ピュー\(~o~)/

 

…暑さで壊れ気味ですが今回の目的地は、兵庫県のほぼ真ん中、映画の撮影地としても有名な「砥峰高原」に決定です。

 

 

 

今回のルートは有料道路を使わず、おなじみ175号線を北上します。そこから西脇市で427号に入り、さらに山越えの8号線から312号、再び8号線から砥峰高原に向かいます。

涼しい内にと6時過ぎに出発。天気はしっかり曇ってるのですが、湿度は高い高い…さすが日本の夏。
朝からお茶にコーヒーにとしっかり飲んでたら、走っててもトイレ近いし。道の駅でちょっと休憩します。

道の駅にはだいたいその地区の観光地図が大きく立ててあったり、パンフ置いてたり。トイレ済ませて何の気なしに眺めてたら。

 

岩座神

 

…これなんて読むんだろ。

 

ふと目についた地名。よく見るとふりがながあって、”いさりがみ”って読むみたい。日本の棚田100選にも選ばれている場所。
時間はまだ9時にもなってないし、曇天だからたまらなく暑すぎもせず。

よし、砥峰行く前にのんびり棚田の景色を楽しんでみましょうか(^-^)

 

岩座神の棚田

 

道の駅多可から走ること約20分。地図を見ながら走って行くも、途中から標識がなくなり少しウロウロ。周りは一面の田園。

よし、農作業中のおじさんに聞いてみよう。

 

おじさん   「岩座神?あぁ、棚田やな。向こうに家が数軒たっとろ?この道沿いにあそこを越えて、さらに500メートルも走れば次の集落がある。そこが岩座神や。わしらよくわからんけど、ええ写真スポットがあるってよ。」

 

 

空は曇っているけれど、若い稲穂が元気に輝いている様です(^-^)

静かに佇む神社には、そばの川からサワガニもお参りに。

 

あっちで一枚、こっちで一枚。秋にはこの稲が金色に色付いて、さぞや美しい眺めになるんでしょうねぇ。その頃にもう一度必ず訪れて、その風景をカメラに収めよう。

 

 

 

++

 

 

 

岩座神で顔を出しかけた太陽は、走るごとに厚い雲に覆われていきます。

山道を走っていると、道左の谷に巨大なダムが。

あまりの大きさにふとバイクを停めたくなって。
大自然の中に大きな大きな建造物。山の上には何本もの鉄塔が電線をつなぐ。

…これも絶景だよな。もし”ダム”ってものを知らない人がこれを初めて見たなら、その存在感にズドンと来るに違いない。でも聞いてみたい。その人にはこの建造物はどう見えるんだろう。

雄大な自然を侵略するように造られた罰当たりな存在?それともできるだけこの世界を壊さないように考慮して造られた、自然と人の折衷建造物…?

『野生の猿にえさを与えないで下さい』

 

 

 

ぽつっ、ポツッ。
走り出してすぐに、とうとう降り出した。予報ではザッと降るかもしれないと言ってたな。すぐに止めばいいんだけど、空は結構暗い。
道はトンネルに入ったけど、カバンにはカメラとレンズ入ってるよ。本降りになること考えて雨宿りできるとこ探さないと。
どこかに樹が茂って、あんまり雨粒落ちてこないとこ…

トンネルの出口すぐ。抜ける直前に見えた場所。国道の左側はちょうどさっき見たダムの向う側なんだけど、トンネル出口に沿って回り込むように柵で囲ったスペースがあった。入り口は車避けがあるけど、バイクなら通れる。

よし、ここに。

スピード出してなかったし、後続車も全くない。するっと入る。そこはうまい具合に樹が傘のように頭上に伸びている。その下にバイクを停めてエンジンを切る。

 

 

 

…ひぐらし。

 

さっきのダムの裏側。川の流れがせき止められる場所には意外と水は少ない。その水面に雨はさらさらと降っていて、辺りはひぐらしの声で満ちている。

たまにトンネルから唸り声のような音が聞こえると、少しして車が吐き出されてくる。そしてまた、ひぐらしの声。
メットを取ってバイクに跨ったまま、その声に集中する。すぐそこから。あの遠くの山から。

 

 

 

ひぐらし、ひぐらし、雨音、ひぐらし、ひぐらし、トンネル、ひぐらし…

 

 

 

ふと後ろを見た。ふと。

 

そこに神様がいた。

国道からは全く見えない位置に祠があって、そこには明王様がおられた。

 

 

 

 

++

 

 

 

砥峰高原

本日の目的地、砥峰高原に到着です。時間はお昼過ぎ。
山道をずんずん登っていけば、突然に開けた高原が現れます。

秋のススキの大群生で有名なこちらの高原。
もちろん今はまだススキには早いんだけど、想像以上に人は少なめ。駐車場には車が4台のみ。もっと人がたくさんいて観光バスとかも停まってるのかと思いきや、この時期結構ひっそりです。

高原前のログハウスでは軽い食事やお茶ができます。隣には高原の生態やイベント告知など交流スペース、景色を見ながら休憩できる椅子もあります。
ここ砥峰高原で撮影された映画やドラマの写真や、出演者のサイン色紙もたくさんありますね。

 

 

空は相変わらず曇天だけど、ときおり吹く風は下界のそれとは違って涼しい。
夏の盛りの一面の緑野にはたくさんの生き物がいます。池からは、最近都会では聴けなくなったカエルの声、草むらからは様々な虫の声。

まるで高原全体が呼吸してるみたい。

 

 

のんびり高原を散策。生き物たちのエネルギーの合間に道は伸びていて、歩いてると涼しくて熱い感じがした。
秋の枯れた美しさもいいけど、今の砥峰は別の美しさです。

 

 

 

 

旅後記

旅先で出会う人や出来事が、後から考えたら目的よりもはるかに印象に残る事があります。

今回のバイクでの旅も、目的地である砥峰高原も気持ちよくて生き物たち自然の宝庫だったけれど、今思い返してみると浮かぶのは、雨宿りのひぐらしの合唱と静かな不動明王様のお顔でした。

それはトンネルを造った時の地鎮の為なのか、それとも交通安全を願ってのものなのか疎い僕にはわからないけれど。
道行く誰からも目につかない所で、静かにたたずんでおられたその姿。

 

”ここで休んで行くといい”

そう言って僕を呼んでくれたような気さえして。

 

見えなくてもいい。知られなくてもいい。

自分もそんな風に、大事な人やこれから出会っていく人に接していきたい。そんな心持で生きていきたい。そんなこと思いながら、祠の前で手を合わせました。

今回の旅は、雨宿りしながら心の雨雲も払ってもらえた様な、そんなバイク旅となりました(^-^)

 

 

 

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