世界の旅 韓国

過去から現在、未来へ「良洞民族マウル」と「甘川文化マウル」⑤(オニャンカルビ+ドンウンヤンコプチャン) 慶尚南道釜山広域市 韓国

この旅行記を始める数年前、お連れさんと韓国の田舎町に行ったことがあった。そこはバスで片道6時間ほどかかる場所だったため早朝の出発になり、バタバタしてるうちに朝食を食べそこなった。
さらに現地で所持金のウォンがバス代ぎりぎりしかない事に気づいた。田舎すぎて円をウォンに両替する場所が全くなく、仕方なくお昼はチョコバー一本を二人で食べた。
何とか都心に戻り夜は豪華に食事をと思ったものの、僕の胃はほとんど食べ物を受け付けず、泣く泣く大半を食べ残した記憶がある。

いや、今回そうなった訳ではないのだけど、食事はとても大事だなということ。
特に旅行中は知らないうちにエネルギーを消耗しているんですよね。移動や観光に気を取られて、つい食事を抜いてしまったってことありませんか…?一人でも複数でも、旅先でのご飯はしっかり食べたいですよね~ 😉

 

 

 

 

さあさあ。欲望のままに食べる時がやって来ました。

 

今晩は……

もう今晩は、限界突破目指して肉を喰うつもりであります(-皿-)

 

日本では焼肉と言えば、まず牛肉を思い浮かべる人が多いと思います。高級な肉は塩やレモンで、普通にはタレを付けて。
でも韓国で焼肉というと、豚肉を指すことが多いそうです。もちろん牛も食べますが感覚的には”ご馳走”という感じで、豚肉ほどの頻度では食べないらしい。

 

今回の旅で一回は絶対『焼肉』って決めてた僕は、今回食べる肉も決めてました。

『テジカルビ』

まだ食べたことなくて。どんなのかなと動画とか見てたら、これは食べずに死ねないと思うほど魅力的(笑)

『テジカルビ』の”テジ”とは豚の事。豚カルビですね。”サムギョプサル”と同じ三枚肉を甘辛い特製のタレに漬け込んでおきます。そのタレの染み込んだ肉を鉄板でジュージュー焼いて食べる。タレの味はお店ごとに違ってて、それがまた楽しい(^o^)
牛肉より断然安くて、向うでは仕事帰りのサラリーマンから貧乏学生まで気軽に味わえる焼肉らしいです。

では、まだ時間は早めだけどお店に突入~ヽ(^o^)丿

 

 

彦陽(オニャン)カルビ

お店のオモニがすでに登場してます 🙂 店頭で写真撮ってると、表に来て笑顔で迎えてくれました。

『オニャンカルビ』さんへのアクセスは、釜山駅から地下鉄1号線で一駅、「草梁駅」下車です。

「草梁」には1970年代から続く「草梁テジカルビ通り」があります。
釜山港に増加した労働者に安くてうまい豚カルビを提供してきた、釜山では有名な通り。今も十数店舗が軒を連ねています。

 

オモニ  「そちらへどうぞ。」

まだ早い時間だからお客は僕一人。オモニはテレビ見ながらにんにくを剥いていたようです。

こじんまりした店ながら綺麗な店内。オモニは少しですが日本語もわかるようです。
またこちらの豚肉は済州島の黒豚を使っています。済州島産の豚はもっちりとして脂身に甘みがあり、豚の中でも高級なのだとか。

 

こー  「テジカルビ ハゴ オギョプサル イリンブン チュセヨ。(テジカルビとオギョプサルを一人前下さい。)」

今日は次も行くから控えめに。もちろん最初にビールは頼みますよ。

”オギョプサル”というのは「オ(5)ギョプ(層)サル(肉)。」豚の五枚肉。
”サムギョプサル”は肉と脂が三層ですが、その五層版です。サムギョプサルより少し高めですが、個人的に味はそんなに変わらない感じがします(*^。^*)
テジカルビと違ってこちらは味付ではありません。焼きあがってから味噌だれやキムチなどと一緒に野菜に巻いて食べます。

肉とおかずが来ました!おかずは韓国ではおなじみ、ずらずら~っと登場します。焼肉店では野菜に肉と共に包む系が多いですね。

このいっぱい出てくるおかずは”パンチャン”と言います。お店によって種類、味付けもそれぞれで、メイン以外のおかずに注目するのも食堂の楽しみ。中にはメインもいいけどそれを上回りそうな味のおかずを出す店もありますから!

 

パンチャンでビールを飲みながら、今日の事を思い出します。
朝早くから移動して良洞をじっくり見学したこと。桜の季節の慶州をのんびりゆったり散歩できたこと。港町釜山を観光したこと。

積み重ねた歴史が形作る町や物には、そこを包む”渦”のような空気がある気がする。幾重にもヴェールの様に包み込んで、静かにゆっくりと渦巻く空気。
ひとたびその中に身を投じれば、ゆっくりゆっくりと遥かな昔からの歴史の波に飲まれて、深い深いところまで引き込まれていく…

 

オモニ  「テジカルビとオギョプサルよ~。」

 

古いものが古くからあり続ける事。それって今はほとんどが失われてしまったから価値がある。それは分かる。でもそれだけなんだろうか?古ければ古いから価値がある。じゃ歴史が浅いものの価値は、まだそれほどでもないってことになる、のかな?

 

オモニ  「まだ食べたらダメよ!まだ、まだ。」

 

明日向かう”甘川文化マウル”は”良洞民族マウル”に比べれば歴史的には全然浅い。でも今どんどん人気が上がってる観光地になってる。それはちゃんと見に行くべき価値があるからで。

 

オモニ  「これはケランチム(卵蒸し)。熱いから気を付けて。」

 

…”古いから”、”新しいから”じゃないな。時代に開きがあっても、この二つのマウルには、共通する「すごいとこ」があるハズ。今回の旅で僕が見たい、見つけたいとこはきっとそこなんだ。

 

オモニ  「もうすぐ食べられるから。ビール?おかわりね、はいはい。」

 

明日、甘川でも見るだけじゃない。行って、目をつむってみよう。においをかいで、触れてみよう。良洞とは違う、新しい”村”を感じてみよう。

 

オモニ  「焼けたよ~。いっぱい食べて。」

 

よし、明日のためにも今日は腹いっぱい肉食べよう!そしてきっとその”共通の価値”を見つけてやる!!

 

しかしオギョプサルは肉が甘い  😀
脂身は多いんだけど、しつこくなくてどんどん食べられます。

そしてこのテジカルビ!味のしっかり染み込んだ豚肉は、辛すぎないで丁度いい味。ビールにぴったりやわ~♪白ごはんに乗せて食べても最高やろなあ♪
サンチュに包んで、辛みそ、キムチ、おかずなんかも一緒に包んで。めっちゃウマい~!!箸とビールが止まりませんよ…(>_<)

 

 

オニャンカルビさん、草梁テジカルビ通りの詳細はこちらで♪

https://www.konest.com/contents/gourmet_hot_report_detail.html?id=5352

 

ごちそうさまをして外に出ると、日が落ちるころ。
しかしテジカルビ、想像以上にうまかったなぁ 😆 これから釜山ご飯のレギュラー入り確定やな♪

よし!この勢いで二件目行くか!次はやっぱあそこよあそこ!!ガイドブックに載ってないけど激ウマのお店よ~(´∀`*)ウフフ

 

ドンウン(東雲)ヤンコプチャン

またまたチャガルチに戻ってきました(笑)何を行ったり来たりしてるねんと突っ込まれそうですが(笑)
いやでもね、美味しい店はホントにたっくさんあるけど、”肉”となると真っ先に浮かぶ店がここにあるんです 🙂

 

チャガルチ市場の路地裏に”ヤンコプチャンコルモク(ホルモン焼き通り)”があります。美味しいホルモン焼きを食べられる店が集まった通り。魚市場のすぐそばにホルモン焼きの店が集まった通りがあるのも不思議ですが…この中に、僕が数年前から通うホルモン焼きの名店があるんですよ♪

 

店の名は『ドンウンヤンコプチャン』。
”ヤン”は日本で言うみの、”コプチャン”は小腸です。

もうこのお店、めっちゃくちゃ好きなんです、はいヾ(≧▽≦)ノ何がそんなにって、その魅力を書き出してみると…

  1. 使っているホルモンが、釜山の某有名ホルモン店と同じ!かつ量が多い
  2. 他のホルモン店は屋台の様に客が横並びで食べるスタイルが多いが、ここはテーブルに別れている
  3. 席数が少ないので(丸テーブル五卓)騒がし過ぎず、また別のテーブルの人とも仲良くなれる事がよくある
  4. ママさんが韓国舞踊をされている超美人 😎

ドンウンのお肉はガイドブックにも載っている有名店の肉と同じものです。それをそこよりも量を多めに提供されています。初めて食べてから感動して他店行かないから、食べ比べた事はないんですけどね。もう感動ものの味です。いやほんと。

見てください、このキラッキラ&つやつやなホルモンを!
こちらで「塩焼き」一人前25000W(2500円)。豚よりは値が張りますが、量、質ともにCP高いです。少ないやん、て思った方!ピースがデカいから!ちなみに粒は刻んだにんにくです♪

まず”ヤン”から網へ。

焼けたらはさみで良いサイズに切ってくれます。結構な弾力があって、食感としては「シャクッシャクッ」て感じかな。塩味がいい具合に効いててウマ~!

美人ママさんが焼いてくれます。
このママさんがいつも静かに微笑んでいる美人なんですよ!片言のハングルで「美味しい」と伝えると、優しくニッコリ笑顔。いや、その笑顔でさらに美味しくなりますから(>_<)

 

そしてこのコプチャン。分かりますか?日本と違って腸の管状のまま焼き始めます。そして焼けてきたらはさみで切り開いてさらに少し焼く、という。

このね、コプチャンが最高なんですよ!!切り開いたときのキラキラ光る脂がね、初めての時クリスタルの様に輝いて見えたんです(◎o◎)ホンマホンマ!!

ピンボケしてるのが、僕の食い意地を表してるというか何というか…すいません(+_+)
しかしこのコプチャン!口に入れると、驚くほどの旨みと、脂を含む肉汁がジュワワ~っと口一杯に広がって…

アッハ~、ウマいッ(>_<)

食べだすと箸が止まりませんよ。ほんとに 😆 あ、箸だけじゃなくお酒も止まりませんからね 😉

パンチャンです。ここのサンチュは味付です。手で包んで、じゃなくお肉を乗せて、と言うのが正解ですね。にんにくを網に乗せて焼いてから肉と一緒に食べるとまたうまいんですよね~。

 

お店がかなり小さいのでテーブルは五つ。基本ママさん一人で切り盛りされてますので、忙しい時は自分でお肉ひっくり返したりする時もあるけど、ちゃんとそれぞれのテーブルは見ておられて、分からないとすぐ来てくれるし。
メニューは「塩焼き」以外にも「やくみ焼き」や「カルビ」「エビ焼き」なんかもあります。結構ボリュームあるから、一気に頼み過ぎない方がいいです。日本の一人前とは全然違いますからね(笑)

ガイドブックには載っていないホルモンの名店『ドンウンヤンコプチャン』。
ママさんは日本語は注文程度なら伝わりますし、メニューの黒板には、ハングルの下に日本語で”しおやき”とかいう風に書いてくれてますからしゃべれなくても安心です。

それに僕みたいに一人のお客さんもけっこういたりしますので、一人でも全然大丈夫ですからね~(^-^)
ぷりぷりじゅわ~なヤンコプチャンに焼酎で乾杯する夜、いかがですか~?

 

 

ドンウンヤンコプチャンの時間などの詳細はこちらで♪

https://www.konest.com/contents/gourmet_mise_detail.html?id=11824

 

 

二件目の焼肉にもかかわらず、おいしく最後まで頂きました。予定通りの暴飲暴食w。さすがに焼肉をはしごしたのは初めてだけど、どちらも美味しい店なので一切れも残さず。4人前は食べたな 😆 ビールと焼酎は何本飲んだか覚えてません :mrgreen:

一応泊まるモーテルには連絡入れてるので、チェックインは遅れても大丈夫。もう少し歩くかな。
そうだ、もう一つ素敵な場所があるんでした。ふんわり良い気持ちのまま、そちらへ向かいましょうか(^-^)

 

 

++

 

 

釜山港を渡っていく夜風が、酔いで火照った顔を撫でていきます。
一日歩き回った疲れも、肉とお酒とこの景色が消していく様です。明日も元気に動かないと。

 

しかしここに前に来たのはいつだったっけ。去年?おととし?その前…?僕は何してたかな。仕事は変わったし、前は連れがいたっけか…

自分が変わっても変わらない場所、変わらない風景。少しずつは変化してても、あぁ、また来たなぁって心から喜べる場所。大切な場所。
そういうのが増えていけばいいな。世界中の知らなかった人が身内の様に大切に思える、そんな場所がどんどん増えていけばいい。会わなくなっても、連絡が途絶えても、元気に頑張ってればいいなって思える。そんな愛おしい場所が。

 

 

…しかしあの海に映る光は、なんかミントアイスの色に見える。モーテルへの戻りはコンビニでアイスを買おう、うん。

食後の甘いものを考えながら、僕は地下鉄へ向けて歩き出した。

 

 

 

 

~⑥へ続く

 

 

 

-世界の旅, 韓国