世界の旅 韓国

過去から現在、未来へ「良洞民族マウル」と「甘川文化マウル」② 慶尚北道慶州市 韓国

2017/05/29

二日目。ほっこりと温かく目が覚めた。
床が温かいとこんなにホコホコで眠れるんだと初めて知りました 🙂

時間は5時30分。外はかなり冷え込んでいる様子。
今日はいよいよ今回の旅のメインの一つ、”良洞民族マウル”に向かいます。

 

昨日雨で濡れた服は、床暖房のおかげできれいに乾いてる。ガイドブックはまだ少し湿っているけど使えないほどじゃないから大丈夫(^-^)
良洞へ行くバスは始発が7時15分だから、40分くらい前に出てコンビニで朝ごはん買ってバスに乗り込めばいいか。
さあ、準備しましょう♪

 

++

 

レセプションには誰もいなくて、ガラス越しの部屋には鍵がかかっている。昨日アーリーチェックアウトって言っとけば良かったか…電話もないし、こういう時に鍵をかえしておくBOXもない。どうしよう。

と、エレベーターからスーツケースを引いた女の子が降りてきた。東南アジアか中国、かな。一人みたい。

 

こー  「モーニン。」

女の子 「モーニン。まだ開いてないんですね、レセプション。」

こー  「そうみたいです。何時に開くのか聞いておけばよかったと思って…電話も付いてないし。」

 

女の子は時計を見た後、僕を見上げながらカードをガラスドアの下から部屋に滑り込ませるしぐさをした。いたずらっ子みたいな笑顔で。

こー 「…」

そうしとけばカードを取られる心配はないし、鍵開けに来たらすぐ気づくよな。バスの時間もあるし。
僕は横に行って、一緒にカードをすべり込ませて笑った。

 

こー  「1人旅ですか?」

女の子 「はい。今日が最終日。これから空港へ行きます。」

 

あら残念 😐 時間があったらお昼とか誘ってみたかったな。二人ならまた別の物食べられたのに。

こー  「気を付けてね。Have a nice trip!」

女の子 「You ,too!」

 

手を振って、別々に歩き出す。

 

 

良洞(ヤンドン)民族マウル

良洞へは慶州市市内バスターミナルから203番バスに乗って約30分の距離。

(赤いマークが良洞へのバス乗り場)
釜山から高速バスで慶州に到着すると、市外バスターミナルに到着します。良洞へ行く市内バスターミナルは、その市外バスターミナルから川沿いに少し北上したところにあります。市外バスターミナルのような建物はなく、普通のバス停留所です。

普通のバスストップですが、路線番号の書かれた電光掲示板があり、言語も日本語を含めた数ヵ国語でアナウンスが聞けます。

この赤い柵で囲まれた仏像さまのお堂の横に203番のあるバス停があります。これを目印にするとわかりやすいですよ 🙂

ちなみに良洞には203番以外にもたくさんのバスが行きますが、203番のみマウルの入り口まで行きます。それ以外は本数は多いですがマウル近くの幹線道路にバス停があり、そこから20分ほど歩くことになるようです。

 

雨上がりの今朝は霧がすごい。バス停前の道路も、霧で川向こうの景色が見えない。それに冷えてるわ~(>_<)

時間が来ると停まっていた203番バスが動き出し、さっと乗り込む。始発は誰も乗っていない。
念のため良洞に行くことをドライバーに確認してから、彼の見える位置に座る。
寒いしお腹減ったし、パンとコーヒーで朝飯、朝飯♪

 

バスは慶州市内をまわりながら、やがて進路を北に向けた。だんだんと座席は埋まっていくけど満席にはならず、座って窓からの景色を見続ける事ができた。
相変わらず外は霧が深いけど、さっきよりはマシになってきたかな。明るいけれど、かすんでる風景。不思議な眺め。
しかし良洞に着いてもこんな霧だと、写真撮るどころか、足元見ながら歩かないとやばいな、なんて考えたり。
到着まで30分。ま、着くころには霧も薄くなってるかな(笑)

 

 

++

 

 

良洞マウルは李氏朝鮮時代、”両班”という貴族階級だった「月城孫氏」と「驪江李氏」という二つの氏族が500年近く共存してきた、珍しい歴史を持つ名門集落。横を流れる渓川のおかげで李氏時代には米や海産物も豊かな村として、今以上に広い敷地を持っていたと言われている。
またたくさんの名文官を輩出した事でも有名で、入村の祖である孫昭(1433-1484)、最高教育機関であった”成均館”の成員、李蕃(1463-1500)、東方五賢の一人といわれた李彦迪(1491-1553)などがこの村から出た。

バスは良洞民族マウル入口に到着。左写真の左の道から来ました。このバス停の周りは広い駐車場になっていて、観光バスが何台も停められるようになっています。
右の写真がバス停を背にした向き。青い標識の通り、左が駐車場、右がマウルへと向かう道です。この道を奥へと向かいます♪

霧も晴れ、天気は快晴になってきた。山の陰から差し込む朝日と少し朝露の付いた服。木の上では鳥がさえずっています。

インフォメーションも時間が早いので閉まっています。でもマウルのパンフレットは外に出されてます。朝の霧でしめってる…

おお~見えてきました!藁葺き屋根の家が段々に。なんて綺麗な(*´▽`*)

空はピーカン、霧も晴れて。 さあさあ、マウル内を周っていくで~♪

 

 

マウルに入ると、丘の上にひと際目立つ建物 😯

こちらは「香壇(ヒャンダン)」。
李氏朝鮮時代、東方五賢の一人、李彦迪(イ・オンジョク)が慶州のある慶尚道の観察使として赴任する際に王が、彼が母親の看病をできるようにとこの地に建てたものなのだとか。”香壇”とは彦迪の孫の雅号らしい。
身分の高い方の屋敷らしい、何とも優雅な屋根とたたずまいです 。(※現在住民が暮らしており、中に入れない場合があります。)

 

 

 

瓦屋根の建物は身分の高い人の暮らす家屋、藁葺きの建物は身分が下の、使用人などが暮らす家屋だったらしい。現在は関係ないんだろうけど。確かに瓦屋根の建物は高い場所にあって、下がったところに藁葺きの建物があります。

 

 

こちらは「観稼亭(クァンカジョン)」。藁葺き家屋群を上った丘の上にあります。名臣・孫仲暾(ソン・ジュンドン)が住んでいた屋敷。
家が中央の庭をぐるりと囲む形の住宅です。立派でありながら派手すぎない質実な雰囲気。すごく居心地のいい空間。とくに縁側が最高。

 

 

 

歩いていると、いろんなところで日常の暮らしの音が聴こえてくる。

子供を呼ぶ声、食器の重なる音、吊るした道具が風で鳴る音、犬の鳴き声…

 

 

++

 

 

村はさらに奥へと続きます。
村内には54の瓦の屋敷と110戸の藁葺きの家屋があるそうです。かなりひろーい。畑の横を歩いてると、子供の時こんな道を走り回って遊んでたのを思い出したり 🙂

 

 

 

お茶屋発見!店面には桜が綺麗に咲いてる。のんびりした雰囲気の中で伝統茶やジュースが味わえます。ちょっと休憩にいい感じ。

建物の形はもちろん違うけど、なんか懐かしい。やはりお隣の国、田舎の雰囲気には通ずるものがありますねぇ。

 

寒かった朝も、陽が当たってくるにつれ段々と温かさが感じられるようになってきました。景色のほのぼのさと相まって、ますます身体が緩んでくるのが分かります。
自然とお気に入りの歌も口から出てくる。癒されるわ~(''ω'')

世界遺産に暮らす。違う、建物を含めたその生活が世界遺産となった、かな。
穏やかさの中にも、静かに漂う誇りを感じられる気がします。

 

マウル内には他にもたくさんの歴史的建物があります。
成均館のエリートだった李蕃(イ・ボン)さんの住んでいた「無忝堂」や、月城孫氏の宗家「書百堂」、森に囲まれた「講学堂」などなど。

かなり広い範囲に点在する感じで、ゆっくりと全てを見て回ると3,4時間はかかります。いくつかをピックアップして見て回るだけでも、落ち着いたこの良洞マウルの雰囲気は味わえますけどね(^-^)

 

さて、時間は10時をまわりました。僕の体内癒しメーターもMAXに(笑)
駐車場には観光バスも着いて、お客さんがたくさん降りてきてます。世界遺産良洞も満喫できたし、そろそろ慶州に戻ってご飯食べて、春の古都をお散歩しようかな。

お昼は何食べよ 😆

 

 

 

 

~③へ続く

 

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