カンボジア 世界の旅

天空の寺院プレアヴィヒア、天空の城ラピュタのモデルと噂のベンメリア ベンメリア カンボジア⑧

2018/04/26

14:32 【車内

 

プレア・ヴィヒアから下山し、僕たちはツアーに付いているお弁当を食べた。
カンボジアでは真夏の盛りじゃなくても、僕たちには十分に暑い。景色に興奮してても、汗は流れ続けている。水分補給はこまめに取らなくてはいけない。

 

再び元の車に乗り換え、次の目的地『ベンメリア』を目指す。
ベンメリアはジブリアニメ「天空の城ラピュタ」のモデルになったのでは?と言われ話題になった場所だ。
日本人に大人気の遺跡らしく、プレア・ヴィヒアと共に楽しみにしていたところ。

走り出して少しすると、満腹感と車のエアコンの心地よい涼しさで眠気がしてきた。ふと見ると窓の外には見事な雲が浮かんでいる。
あ、迎えに来てくれてるやん天空の城…ウトウトしながらそんなことを思った。

 

 

16:46 【ベンメリア

プレア・ヴィヒアから約二時間半、今日二つ目の遺跡ベンメリアに到着した。
陽は少し傾いてはいるけど、まだまだ暑い。

『ベンメリア』という名は”蓮池”を意味する。
ヒンドゥー教寺院として造られたが、遺跡内には仏教遺物も多くみられる。アンコールワットが造られる前に造られた寺院で類似点も多く、アンコールワットのモデルとして造られたのではないかといわれている。

 

ホウさん 「ここは遺跡内に入れるようになってまだ日が浅いです。だから決められたルート以外歩かない方がいい。」

遺跡が発見されてからも長くほったらかしにされ、遺跡内部の地雷撤去が終わったのもここ二十年ほどらしい。
実際に遺跡のぐるり周りには地雷が残る可能性があり危険とのこと。

ちなみに「天空の城ラピュタ」のモデルになったという噂は、映画公開の方がベンメリア公開より早いことから誤りなのだとか。誰かがその廃墟的雰囲気に共通点を感じ、言い出したことなのだろう。

 

歩き出すとすぐに、遺跡の崩壊のすごさに目を奪われる。
あるべきところから崩れ落ちた石たち。木々が奔放に手足を伸ばし、コケが覆っている。

内部は歩くための足場が作られている。それが順路になるのだけれど、進んでいくとその足場が「今」という細い時間のたった一つの拠り所のように感じられてくる。そこを越えてしまうと、途端に「現在」からこぼれ落ちてしまいそうな錯覚…

 

「これは…すごい…」

僕も、もう一人の参加者の男の子も、言葉が出てこない。

 

確かにラピュタっぽい。
かつての通路や入り口がいくつもいくつもあった。今は塞がれ、崩れ、静かに沈黙している。
ここが機能していた時代、どんな祈りや暮らしがあったんだろう。

 

滅びていかない物はない。かたちあるものは、いずれ崩れ去っていく。

何かで読んだ一節が僕の中にこだましている。

 

 

 

 

20:55 【レストラン REAK SMEY

店内では女の子がお母さんに怒られて泣いている。
どうやら夜も更けてきたから寝なさいと言われて、それに必死で抵抗しているみたい。しまいには引きずられて店の奥に連れていかれた。
ま、子供は寝る時間だよ。

 

 

ベンメリアからシェムリアップまで一時間半。街に到着した時は、まさに陽が落ちる頃だった。
ホテルまで送ってもらえるので今日一緒だった埼玉の男性が先に降りた。

 

「今日は本当に素晴らしい日でした!一生の思い出です!こーさんも、どうぞよい旅を!!!」

握手をして別れる。愛嬌のある彼は、きっとどこの国でも楽しく旅できるに違いない。
その後僕も自分のホテルで降ろしてもらった。ホウさんとドライバーさんに一日のお礼を言って、少しのチップも渡す。

「またカンボジアに来て、うちのツアーを利用してね。」

ホウさんはそう言ってにっこり笑った。

 

こうしてプレア・ヴィヒアとベンメリアツアーは終わった。
結構暑い中、なかなかハードな一日だった。シャワーを浴びると、一日で見事に日焼けしていた。日焼け止め塗ってたんやけどな。

約束通りビッチャイにラインで明日の彼のトゥクトゥクの予定を訊いてみる。もし予約が入ってたら自分で手配しないといけない。

 

ビッチャイ 「大丈夫だよ♪何時に迎えに行けばいい?」

良かった。また彼に会える。
明日の夜は、彼がよければ飲みに誘おう。いろいろ話したいしね。

 

ラインしてから外へ出る。お腹はぺっこぺこで悲鳴をあげている。さぁ、一日汗かいた分ビールで取り戻すで!!僕は再び街に繰り出した。

 

パブストリートをふらふらして入ったお店、中華系カンボジア料理の食堂で食べた一品。淡水魚を発酵豆と生姜で煮込んだ料理。

これが残念ながら味が…臭みを消すために生姜を多く入れてるのだろうけど、生姜の辛さで舌がビリビリくるし、魚と納豆の臭みが混じりあってすごいにおい。隣の欧米人の女性が眉をひそめたくらいだった。

そして一緒にオーダーしていたビーフジンジャーなんちゃら。
さっきの品にそんなに生姜が使われているとは思ってなかった僕は、暑い時こそ生姜で健康!と思ったのが仇となった…こちらも生姜全開の料理。舌が…

お腹激減りでガンガン食べようと思ってたけど、残念ながら食べきれずそこを出た。

 

 

で、結局またレストラン「REAK SMEY」に。
レストランといっても食堂なんやけど…店の主人は僕を憶えていてくれ、笑顔で迎えてくれた。

一軒目の口直しに牛肉とナッツの入ったグリーンサラダを。
トウガラシも入ってピリッと辛いけど、玉ねぎやピーマン(だと思う)などフレッシュで美味しっ!!

やっぱりこの店はウマい!!ビール三杯と、さらに前回と同じルックラックをオーダーして、うんうん頷きながらガツガツ食べた。
お腹も心も充電完了。主人にまた送られて、大満足で店を出た。

 

 

ビールも飲んで、お腹いっぱい食べた。
今晩は死んだように眠れそうだ。夢でまたきっと、あの絶景を見そうだな。

今日は人生の中の、心からしびれた一日だった。世界中がまだまだ僕を待っている。

 

 

カンボジア出国まで、あと二日。

 

 

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