世界の旅 台湾

「千と千尋の神隠し」の町、九份と初台北、三峡にも行ってみた⑤ 台北市 台湾

2017/05/29

龍山寺

龍山寺は台北を旅する人の間で一番有名なお寺だと思います。
MRT「龍山寺」駅出口1から北へ徒歩3分、艋舺公園を突っ切って到着。

清代の乾隆帝の頃の創建されて270年、信仰の大きな拠り所であり、また有名な観光名所でもある。
門から北に向かって、前殿、本殿、後殿があり、左右に鐘楼と鼓楼があります。台風、地震、第二次世界大戦と被害を受けるも、その都度修復されています。

台湾では寺院は神仏混合が普通で、仏教の菩薩様が祀られてる隣に道教の神様がおられ、かと思えば関帝(三国志に出てくる武将、関羽が神格化されたもの)もおられます。
おおらかなその宗教観は、尊いものには区別せず手を合わせましょうよという気持ちがあって、僕はとても素敵だなと思います(^-^)

堂々たる構えの前殿。

かなりたくさんの参拝者と観光客。信心深い台湾の方々。老若男女、国籍問わず、ここではみなさん熱心に祈りを捧げておられます。

 

線香のにおいと、煙る寺内。にぎやかさの中の祈りの静けさ。

 

 

人と人とのあいだを うつくしく見よう

私と人とのあいだを うつくしく見よう

疲れてはならない

 

 

ふと、昔教わった詩を思い出した。

 

 

剥皮寮(歴史街区)

龍山寺を出ててくてく東へ歩くと、こんな感じの建築に出会えます 😀

レトロモダンなこの建物、「剥皮寮(はくひりょう)」と呼ばれています。またこの一帯を「剥皮寮歴史街区」と言います。

 

剥皮寮の起源は清朝時代。この辺りは木材や石炭の集積地として発展したエリアで、当時から洋館が多かったのだとか。全ての建物が同じ時期のものではないようですが、古いものはまさに清朝期に建てられたもので200年以上前のもの。
「剥皮寮」と言う名前は、この辺りで輸入した木材を切削して加工、販売していたことが所以と言う説があります。その後日清戦争終結後、日本の統治が始まり、この辺りは区画整理されていきました。

 

 

++

 

剥皮寮界隈をのんびりと散策し、骨とう品店なんかで小さなお土産なんかも買ったりして。
三日目はのほほんと街を味わってます(^-^)

 

そしてそろそろ時間はご飯時!!いよいよ台北最後のランチタイムがやってきました。
さてさて何を食べようか♪
この近くにはガイドブックにものってるお店「周記肉粥店」て店があるのでのぞいてみたのだけど、満席… 😕
半分旅行者で半分現地の人って感じ。
美味しいんだろうけど、さっさとスルーです(笑)待つのはあんまり好きじゃないんです、特に空腹時w。
最後も普通の食堂行きましょうよ、食堂!

 

店内に入ると、入口に厨房があり、自分で取る小鉢の並んだケースが横にあります。
日本ではだいたい厨房は、店の一番奥辺りにありますよね。台湾では入り口すぐがスタンダードなのかな。

ではでは、こちらの小鉢を頂きます。いかにも体に良さそうという理由で。しかし煮干しを食べるのどれくらいぶりだろ…
これは日本でも食べられるじゃん!て突っ込みは無しでお願いしますね 😥

 

そしてまだ食べてなくて、絶対食べると決めていたこれを注文!!!

 

「牛肉麺(ニュウロウミェン)」
いろんな雑誌や旅行記を見るたび、ラーメンの上に肉の塊っていうビジュアルにヨダレを垂らしていました(笑)
こちらのお店は高菜漬けと白菜がONしてますね。
いかにもウマソー(>_<)

では、いよいよ一口。いただきます!!

 

…あっさりですね。どんと乗った肉の色がこってり目の味を想像させますが、食べると意外やあっさり淡泊な感じ。
さらっと飲みやすいスープは、悪く言えば薄いかな。でも日常食べるにはこれくらいがいいのかな。
麺はうどんときしめんの中間くらいの太さの麺です。

 

なかなか弾力あって美味しい麺。湯気で白くなっちゃいましたが。
僕的にはもう少し味の濃い目のスープが良かったけれど、美味しくどちらも完食しましたよ。
ごちそうさまでした(^-^)

 

 

++

 

昼食を食べ終わり、MRTに乗る前に艋舺公園で休憩します。
帰りの飛行機が16時過ぎなので、一休みしたら空港に向かわないと。空港行きバスは、帰りも大混みの可能性もあるしね。

 

艋舺公園は龍山寺の真ん前。地元のおじさんおばさんやお年寄りがたくさん公園で憩っておられます。
将棋のようなものを楽しむおじさん達、犬のお散歩をするお姉さん、自転車に荷物をたくさん載せたおじいちゃん。
ハトがたくさんいて、エサをあげてるおじさんもいます。

楽しかった3日間の台北一人旅も今日で終わり。こののんびりも今日まで。
たぶん帰国したら風邪は一気に悪化するだろうけど、この旅を思い出しながらなら、苦しむのも少しは楽になるかな。

 

そんなことを考えていると、隣に大きなリュックを背負ったおばあさんが腰を下ろした。
リュックはパンパンに膨らんでて、ずっしりと重そうな感じがした。どっこいしょっとリュックを置く。
ちょっと一息、かな。

 

おばあさん 「こんにちは。」

僕に日本語で話しかけてこられた。

 

おばあさん 「日本から来られたですか?龍山寺を見に来ましたか?」

こー    「は、はい、日本の神戸から来ました。お寺はついさっき見てきました。立派なお寺ですね。」

おばあさん 「日本にも立派なお寺、たくさんありますね。」

 

おばあさん、かなり日本語ができるみたいだ。

おばあさん 「昔私は国民学校で日本語を勉強しましたよ。」

 

そう。台湾にはつい最近までその時期があった。日本が統治していた時代が。
おばあさんは変わらず、ニコニコ笑顔で話を続ける。

 

おばあさん 「日本から台湾までは高いのですか?安いのですか?」

こー    「安い方だと思います。選ぶ飛行機にもよりますけど…一人だと、いろいろ安くあげられるんです、費用を。」

おばあさん 「あらまぁ、一人で来たのですか。奥さんは来てないの?」

こー    「僕はひとり者、えと、結婚はしてないんです。」

おばあさん 「あらまぁ。なんで貰わないのですか?(笑顔)」

 

…この質問、韓国行った時も貰ったな…(;''∀'')

僕が苦笑いしながら答えるとおばあさんは笑いながら、きっと良い人会えますよと言ってくれた。
にこやかなその顔は、話すほどに僕の緊張を解いてくれた。

 

おばあさん 「台湾は何日いますか?」

こー    「3日間いました。この後日本に帰ります。」

おばあさん 「あらまぁ、そうなんですね。楽しい旅行でしたか?」

こー    「はい!九份に行って、美味しいものもたくさん食べて。それにたくさん台湾の方に親切にしてもらいました。本当に楽しい旅になりました!」

 

おばあさんは僕の言葉を本当に嬉しそうに聞いてくれてはうなずいていた。僕の住む街の事、家族の事なんかを聞いては楽しく笑って。僕も楽しくなって、色々と聞かせてもらった。

 

束の間の談笑もあっという間。そろそろ空港に向かう時間だ。も少し話したかったけど…僕はそれを伝えて立ち上がった。

 

おばあさん 「またきっと、台湾に来てくださいね。」

 

…写真、撮らせてもらえるかな。一眼レフを買って、まだ旅先でそれをお願いしたことはない。なんか気恥ずかしかったのかもしれない。
けど今、このおばあさんにはお願いしてみたいと思った。

 

こー    「おばあさん、写真、撮らせてもらってもいいですか?」

おばあさん 「あらまぁ、こんなおばあさんなのに。ありがとうございます。」

 

おばあさんは頭を下げられた。お礼を言うのは僕の方なのに。
僕がカメラを取り出してファインダーをのぞくと、おばあさんは立ち上がって両手をまっすぐ下に、『気を付け』の姿勢を取られた。

 

僕は気を付けをしてこちらをまっすぐに見るおばあさんに、彼女の生き方を見た気がした。

だから僕も『気を付け』の心で、台湾最後のシャッターを切った。

 

 

 

【旅後記】

人は一生で、何人の人に出会えるのでしょう。

そのうちの何人の人との出会いや関係を、宝物にしていけるんだろう。

 

今回の台北の旅は、今思い出しても僕の心をじんわりと暖かく、優しい気持ちにさせてくれるものでした。
案の定風邪は悪化し、関西空港に着いた時には鼻水にくしゃみに咳にと、一気に襲って来ました。向うで最後まで悪化しなかったのは本当に奇跡的。もしかしたら出会う人たちから、力をもらって旅ができていたのかもしれません。

 

それと以前から台湾が親日の国だとは聞いてはいましたが、今回まさにその通りと実感。
まあ、出会った人たちの親切は、きっと日本に対してだけではない気がしますけどね(^-^)
道を教えてえくださった人、にっこり笑っておかずオマケしてくれた食堂のおばさん。テレビで相撲を見てて、入って来いと手招きしてくれたおじさん 😀
こーの旅に書ききれなかった暖かい台湾の人たちに、心からのありがとうを。

 

 

美しい九份の町。エネルギッシュな三峡の街。そしてまだまだ見どころのある台北。
日本から近くて、1人でも複数でも楽しく外国を味わえる国、台湾。
それに今回は行きませんでしたが、自然あふれる台中、台南も素晴らしい場所がありそうです♪

台湾、超おすすめです!きっとまた行くでーヾ(≧▽≦)ノ

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