奈良県 日本の旅

謎が謎を呼ぶ!飛鳥謎の石群①  奈良県高市郡明日香村

2017/05/29

謎。
この科学の進歩した現代でも、解明できない数々の謎がある。
様々なジャンルに謎は存在するけれど、歴史の分野にもそれは多い。

 

なぜ彼はそうしたのか。

なぜそこに、それはできたのか。

どんな目的で、それは存在するのか。

 

少しずつ解き明かされていく謎、まったく意味不明な謎…
解明されてほしいもの、謎のままこれからもあり続けてほしいもの…

 

 

今回はこちら!!

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奈良県は飛鳥村に点在する、謎の石群です 😛

こうであったろうという大まかな目的がつかめている物から、まったく何に使用されたか分かっていない物まで。
謎なんてこの世にはほとんど残ってないよ、って考えの方々!
意味が分からないけど、存在することだけは確かな物がこの世界にまだまだあるのです!
今回のこーの旅は、そんな謎の一つを感じる旅です…|д゚)

 

++

 

さて、今回は阪神電車から近鉄電車で目的の飛鳥駅に向かいます。
阪神電車、近鉄電車が販売する「古代ロマン 飛鳥日帰りきっぷ」で向かいます。
こちらは乗車を開始する沿線によって値段が若干変わりますが、飛鳥エリアに向かうまでの一往復運賃、並びに大和八木~桜井、大和八木~橿原神宮前~壺阪山までが一日乗り降り自由となります。

出発が少し遅れ、到着は11時頃となってしまいました。

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近鉄飛鳥の改札より。
いやあ、のどかな場所です。駅前はロータリーになっていて、飛鳥の観光案内所やレンタサイクル、お団子やさんなんかが並んでいます。

今回は目的地が離れて点在するため、こーもレンタサイクルで回ります♪

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少し走るともうこんな感じ(^-^)
遠くに連なる霞んだ山々、稲刈りの終わった田んぼのにおい、見渡せばあちこちに古墳のこんもりとしたシルエット。
まさにまほろばの郷。

 

今回のテーマは”謎の石”ですが、せっかく飛鳥に来たのだし他の観光スポットも(^-^)
まずは南の方角、ここ数年大いに話題になった「キトラ古墳」に向かいます。

この古墳の石室からは四神(青竜、白虎、玄武、朱雀)と天文図の壁画が発見され、2016年9月には「キトラ古墳壁画体験館 四神の館」もオープンしました!

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こちらはキトラ古墳の石棺模型や壁画をアップで見られるマルチシアター、また施設の周りには古墳を含めた公園のように整備されています。


さらには!なんと期間限定で、順次石室から剥ぎ取った本物の壁画を公開してくれます!
今回ぎりぎり壁画公開期間内で、本物の壁画を目にすることができました!!

今回は朱雀、白虎、天文図が見られましたが、見る時にはグループ分けされ、一グループ10分間のみとなっています。
もちろん写真撮影は禁止なので、ここには上げられませんが、これからも期間限定で公開していくとのことなので、興味あるかたは是非本物を見ることをおすすめします!
やはり本物は、存在感が違いますからヾ(≧▽≦)ノ

 

外ではお弁当を広げる家族連れもいました。
古墳を楽しく学んで、お弁当食べて散策。素敵ですね♪

詳しくはこちら♪
http://small-life.com/archives/16/09/2620.php

 

 

++

 

デレレ~ン…さて、いよいよ謎の石巡り、一つ目はここです|д゚)

 

 

猿石(吉備姫皇女王墓)

吉備姫皇女王墓の中にある、猿石です。
猿石と呼ばれていますがこの石、ズバリ人ですw
古墳近くの田んぼから出土し、古墳に置かれていたのを明治頃にこの王墓の場所に運んだそうです。

それぞれに名前が付いていますので、一人ずつお呼びしましょう♪

 

さ~ん!

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「んお?誰ぞワシを呼んだかの?最近耳が聞こえにくうなってのう、むにゃむにゃ」

 

はい、”僧”と名付けられた石です。両手を前で合わせ、少しあごがしゃくれてる感じの僧ですね~(笑)

「余計なおせわじゃ!!!」

 

…聞こえてますね~ 🙄

 

 

えー、お次はさ~ん!

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「はいなはいな~、今わてを呼びましたな~。しかし今日はええ日和でんな~♪ え、曇ってる?あちゃ~、さいでっかいな~。いやはや、一本取られましたなぁ。なははは」

 

…関西芸人みたいなノリの、”男”です。口角上がって、目元もにこやか、幸せそうですね~。

「…あんさん、わてをバカにしてんのかいな? 👿 」

 

怒られてしまいました。

 

お次、さ~ん!

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「…」

おん… ”女”と名付けられた…お、おんな、なのかなぁ~?と思うのは僕だけかな…一応、胸らしきものもあったりしますが。

「*%&#!!」

 

あ、ありがとうございます 😯

 

 

では最後に、山王権現さ~ん!

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「わし?わし呼んだ?ちょと今、食べすぎて苦しいんだわ」

って”山王権現”さん!服、服着てくださいよ!!大事なところが丸見えですよ!!裸に冠ってマニアック過ぎですよ!

「よいではないか、おぬしもおのこじゃろうに。うっぷ、苦しくて服など着れんわ」

僕は男ですけどね。まあ、リアルじゃないし、大丈夫かな(笑)

以上四人の猿石さんたちでした~(^-^)

 

四人「猿ちゃうわ!!!!」

…失礼しました 🙁

 

 

++

 

いやはや、一つ目がなんか少し笑える感じの石たちでしたが…
次は少し背中がヒヤリとするよな石ですよ~…|д゚)

鬼の俎(まな板)、鬼の雪隠

この両石は、昔…

あれ、”女”さん!なんで持ち場離れて付いて来たんですか!ちょ、マイク持って来て何を!

以下”女”さん

「このあたりはねぇ、むかーし風の森と呼ばれていたのよ。
そこには、それは恐ろしい鬼が棲んでいてねぇ、道行く人をわっしわっしと捕まえては、この”鬼の俎”でザクザク料理しては喰らっていたのよ、ひひひ。
腹いっぱい喰らえば出るもん出るのは人と同じでね、この鬼の雪隠でドバーっと出してたわけさね、いひひひ。」

話したら行ってしまいました。てか話せるんですね 😯

 

”女”さんが話してくれたのはこの辺りの言い伝えです。
実際にはこの両石は、盛り土の無くなった古墳の石室が二つに別れ、転がり落ちたものだそうです。
”鬼の俎”は石室の底石、”鬼の雪隠”は石室なんだとか。
雪隠とはトイレの昔の言い方です。

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ちなみに鬼の俎は長さが4.5m、幅2.7m、厚さ1m
雪隠は内幅1.5m、高さ1.3m

堂々たる石ですね。
しかし、”女”さんのおかげで面白くお伝えできましたね(^-^)ありがとう、”女”さん。

では次に向かいましょう♪

 

 

++

 

のどかな景色が続きます。秋のお花、コスモスが可愛く咲いています。

お天気は曇りだけど、自転車こぎ続けてるとのどが渇いてきました。
お、道沿いに野菜やお土産を売ってる店がある!
少し休憩しましょう。

亀石

自販機でジュースを買って、すぐ横。
お土産屋さんの真横に巨石が!!

 

冒頭で上げました、”亀石”です。

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こちらの石は…

あ、向こうから笑いながら走ってくるのは”男”さん 🙂

以下”男”さん

「はいなはいな~。この石の謂れやろ?教えたるがな~まかしとき!
むかーしむかしのその昔や、ここいら盆地は湖やってな、対岸に住む当麻にはヘビが、川原にはナマズがおったんじゃ。
あるときそいつらが大喧嘩はじめよってな、結果は当麻のヘビの勝ち。負けた川原は水をとられて干上がってしもてな、そこに住むぎょーさんの亀がとばっちりに死んでもた。
それを見た村のもんたちが哀れに思て、亀の形した石で供養したんや。え~話やろ?わてこういう話弱くてな~泣けるなぁ。」

「そやけどな、この石はそれだけやあらへん。こいつは昔、北を向いとったんや。そやのにあるときから東向きになりよった。んで今は南西や。動きよるんや、この亀は。」

「こいつがいつか、西を向いたら…西は当麻がある方向やが…奈良の盆地は泥の海と化すっちゅー話やで。いや、言い伝えやからほんまかウソかは知らんけどな…おとろしいな~」

なんか恐い言い伝えですね。”男”さん、いつごろそれは起こるとかわからないんですか?

「んなもん、亀公のことわてにわかるわけおまへんやん!わては人でっさかいな~ははは。
ほな気つけて旅続けるんやで~」

 

行ってしまいました。

”男”さんの言っていたのも言い伝えです。この石はいつ、何のためにつくられたのかは謎のままです。

亀ではなくカエルではないのか、お寺の寺域を示す物ではないのか、そもそも向き、上下は今の状態が正しいのか。

全ては憶測の域を出ず、まさに謎…

 

謎は謎を呼びます。さらに興味深い謎の石がこの後も続きますよ|д゚)

 

 

++

 

二面石(橘寺)

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向こうにお寺が見えてきました。
次の石は、あのお寺、橘寺の中にあります。

 

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こちら、天台宗のお寺です。近くに聖徳太子の生まれた場所があった所で、のちに太子がこの橘寺を建立されたのだとか。
聖徳太子建立七大寺の一つです。
そして、このお寺の一画にそれはあります。

 

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”二面石”です。
この石は左右に顔が一つずつ彫られています。

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左の画像が善面、右が悪面。
悪は面長、善は小顔ですね。人の心の両面を表しているのだとか。
しかし悪面の方が大きいのは、人の心は悪の面の方が多いのかな…なんて考えたりもして。
なんともインパクトある石です。

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お寺の綺麗な植木や花の横に。溶け込んでるよな、いないよなw

こちらの石、山王さんや僧さん、男さん達”猿石”と同じ場所から掘り出されたと考えられているようですが、その役割や詳細は…やはり謎です…

 

あれ、今回誰も来なかったな 😕

せっかくだから、聖徳太子さまに手を合わせて行きましょうね。
この二面石は橘寺の中にありますので、見るにはお寺の参拝料がかかります。

詳しくはこちらで♪
http://www3.pref.nara.jp/miryoku/megurunara/inori/syaji/area04/tachibanadera/

 

 

++

 

橘寺を後に、さらに自転車を走らせます。
曇ってはいるけど、雨が降らないのが救いです。雨の中、自転車はつらいですから。

いよいよお次は、飛鳥の石群の中でもかなりメジャーな石です(^^)/
一度はどこかで見たことありますよ、きっと♪

酒船石

「いやいや、だいぶわしらの居場所から離れとるから来るのも一苦労じゃ」

”僧”さん来ました(笑)

「わしらの仲間の説明で来んわけにはいかんがの、あんまり遠いと脚にこたえるんよ」

それはご無理をおして、ありがとうございます。
さっそくなんですがこの石の説明を…
「あ?」

いやだから、謂れなどを教えて頂け…

「なんじゃ?」

だから説明を…

「ほあ~?」

……くそじじい

「誰がくそじじいじゃあ~~ 👿  👿  👿 」

やっぱな(+_+)

「礼儀を知らんばかもんが。まあええ、話してやるぞえ。
この石は酒船石と呼ばれとる石での。」

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「花崗岩でできとる。大きさは長さが5m、幅が2.3m、厚さは1mある。」

「酒船石という名は、このくぼみを使って酒を造ったという説からついた名のようじゃな。
酒だけじゃなく、薬を作ったという説、水を流して何かを占ったという説、面白いところでは手塚治虫氏の漫画、”三つ目がとおる”で多くの家来や奴隷を完全に服従させる麻薬を作る石、という解釈もあったの。」

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「さらにはその模様がこの飛鳥の地図であるというものや、時の流れをあらわしているというもの、いけにえの血を流しこんだというものまで様々なんじゃ」

ぼくは初めて見た時、ナスカの地上絵みたいだなって思いました。

「あのハチドリじゃな。
様々な説が入り乱れておるこの酒船石じゃが、結局のところ確かなことはわかっておらん。」

謎、なんですね。

「そうじゃ。じゃがこの場所のすぐ裏手にもう一つ石が発掘されたんじゃ。見に行ってみよう。」

 

亀形石造物

「すまんがわしの分もお金払っといて」

あら、ここは有料なんですね。”酒船石”は林の中に置きっぱなしだったのに。

「文化財保存協力金と書いとるの。ぶつぶつ言わんと、ほれ、二人で600円じゃ」

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僕たちの立つところより低いところにある、石積みに囲まれてるあれですか?

「そうじゃ、”亀形石造物”と名付けられておる。」

「1999年に発掘された石で”酒船石”と同じ花崗岩でできておる。
亀の部分の長さは2.3m、幅は2m、甲羅の深さは20cm。
右の石から亀の石に水を流し込む為の物ではないかと言われておっての、湧水口から出た水が右の四角の石に、そこから取水口の亀の頭に流れ、そこから甲羅にたまり尻尾から流れ出る。」

「この一帯は現在は”酒船石遺跡”と呼ばれておって、斉明天皇というお方の両槻宮(ふたつきのみや)ではないかと言われておるのじゃ。
酒船石、そして亀形石造物はそこで行われた祭祀に関係する遺構ではないか、というのが今のところ有力な説のようじゃな。」

 

なるほど~。で実際には酒船石と亀さんはどう関係して…

「わからん。」

…やっぱり。それも未だ謎のままなんですね。

「うむ。これからの調査を待たねばならんな。
気が遠くなるような昔の遺構じゃ、記録自体も失われていて当然じゃから、そうそう簡単にわかるはずもないでな。」

 

亀形石造物の料金などはこちら♪
http://www.rurubu.com/sight/detail.aspx?BookID=A3903566

 

 

++

 

謎、謎、謎。やっぱり存在は確かだけど、誰が、何のためにっていうのはわからない事ばかりなんだな…

って”僧”さん!一人であんなとこでソフトクリーム食べてるし!

 

「久々話したらのどがかわいてのぅ。あ、お金払っといてね~」

あー!食い逃げ!
…行ってしまいました。
まあ、おかげで色々ガイドしてもらえましたね。ありがとう、”僧”さん(^^)

 

 

++

 

あ、レンタサイクルの返却が5時だった!一つだけ買いたいお土産があったんだった。
大急ぎで向かわないと!

急いで自転車こぎこぎ(''Д'')
やってきました、”みるく工房飛鳥”さんです♪
こちら、こだわりソフトクリームやアイスクリーム、おいしいカレーや喫茶スペースなんかもあるんですが…
今回僕が買いたかったのは、これです!

その名も”飛鳥の蘇”

シブい名前でしょ(笑)これは昔、七世紀にシルクロードから日本に伝わったという、今でいうチーズです。
なんでも牛乳を特殊な方法で煮詰めて作られていたそうで、貴族や身分の高い人しか口にできなかった超高級食材だったのだそうです。

こちらではそれを忠実に再現して販売しておられます。
類似品も出回っているようですが、こちらが本家本元です。

遥かな昔にアジアの草原でできたものが、遠く日本に伝わって、それが今復元されて食べることができるなんて…
これってすっごくロマンじゃないですか!!(''∀'')
ああ、今晩、僕の口の中に…ウウワーヾ(≧▽≦)ノ

(家で食べてみた感想は、噛みごたえがサクサクとして、ほのかにミルクの香りがする、何というかケーキのような…♪
チーズみたいに発酵した感じではないので、チーズダメな方でも美味しく頂けるのではないかなと思いました)

みるく工房飛鳥さんの詳しい情報はこちらでどうぞ!
http://www.asukamilk.com/

 

 

「…なーにをぶつぶつ言っとるんじゃ。」

 

おわ!いつの間に”山王権現”さん!びっくりするじゃないですか!

 

「店の前でぶつぶつ言っとるおぬしを見るほうがビックリじゃ。袋の中見てにやにやと。」

ふん、いいんですよ。僕は今回の、飛鳥謎の石群巡りを終えて、今晩の超お楽しみなお土産買ったんですからね 😀
あれ、そういえば”権現”さん。どしたんですか今頃。
僕はここで今回の旅を〆ようかと…

 

…ちょっと、”権現”さん。近いんですが、距離が。
いや、だから裸のまま近づきすぎないでもらえますか。
ってなんでそんなに下半身からぐいぐい寄ってくるんですか!!おまわりさん呼びますよ!

 

「おぬし、これで飛鳥の謎の石を制覇したつもりかのう?
この地にはまだまだ謎多き石が、あちこち点在しておるぞ。」

え、ほかにもあるんですか!?

 

「りさーちがたらんのう。ほれほれ。」

だから押し付けて来ないでって…ま、まさか!?

 

「そうじゃ、あるんじゃ、こーいうのもな。
…というわけでな、来週も来い。」

は?
いやここは奈良で、僕の住まいは神戸…

 

「もっとみたいじゃろ?知りたいじゃろ? ならこーいうんじゃ。『次週に続く』」

 

 

 

…じ、次週に続く(+_+)

 

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